どうぶつ村は人と動物が共生するためのルール作りの基盤を作り上げていきたいと考え、福岡市東区を拠点に
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コラム(番外編)理事長の湧出石 Part6

 政府教育再生会議が学校週五日制の見直しを出してきた。教育改革関連の法案改正の中にも教員の免許制度の改革が盛り込まれている。新聞紙上の論評でも評価は悪い。
元教師の立場からすると一言、言いたくなってしまった。
公立の学校が完全五日制になったのが2002年だから、5年である。
たったというべきか、よくもそこまでというべきか、立場が変わればとらえ方もまるっきり違ってくる。
もともと、この五日制に関しては、随分昔から論議があり、教師の給与を絡めた待遇改善の協議の中で賃上げ対策として当時どこかで論じられていた記憶がある。

 まだまだ日教組が元気なころ、条件闘争としての待遇改善と給与改定が、当時からスローガンとして扱われていた”ゆとり教育”にすりかえられてしまった。
つまり、金がないから休みをやろうという策である。一般企業でよく使われている手でもある。
もともと休みよりお金のほうがよかったKさんにしてみれば、持て余しても仕方ないかもしれないが、子どもの学力が落ちたからと慌てふためいて戻す方も脳がなかろう。
まして、今更というべきか運転免許じゃあるまい、免許更新でふるいを作ろうとしている。
残念ながら、更新では不適格教師は排除できない。逆に増やす恐れだってある。

 しかしながら、全体学力は落ちたかもしれないが、明らかに制度の成果とも言えるよい結果も出ている。
15歳の少年がプロを抑えてゴルフツアーの優勝を成し遂げるなどは間違いなくその成果の現れであるし、石川少年のさわやか優勝スピーチなどはそこらのプロよりずっと立派で、思わず引き込まれていた。
聞いていて思い出したのはハンカチ王子。この二人に共通しているキーワードは、家族・親子・家庭教育であるような気がする。
たった五年かもしれないが、このさわやか少年二人を誕生させたスポーツ界では教育制度としての成果は立派に出ているし、何よりも技術や運動能力だけでなく、家庭、家族の中に制度の狙いである”ゆとり教育”の片鱗が感じられることは、五年やそこらでコロコロ変えようとする連中には理解できないものなのかもしれない。

 教育は国家百年の大計というが、これだけ短期間で少なくともその成果が花開こうと、あちこちで蕾となっているものがあるとすれば、まさしくそれを潰そうとしている政治家は大計どころか大罪を犯そうとしている。

 
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