どうぶつ村は人と動物が共生するためのルール作りの基盤を作り上げていきたいと考え、福岡市東区を拠点に
地域ボランティア活動やドッグランの整備を進めております。

コラム(番外編)理事長の湧出石 Part10

2013年正月明け、早速事件に遭遇した。
これも、とあるゴルフ場での出来事。
スタートしてまもなく、遠くで聞こえる犬の声。
ゴルフ場が有るような山の中ではよくあることで、犬の訓練所やブリーダーが人里離れた場所で飼育しているケースはよくあるし、そのゴルフ場も犬の鳴き声はたまに聞いたことが以前からあった。
しかし、進むにつれその声は遠くでというより、ゴルフ場内のコースのどこか近距離から聞こえそれも虐待を受けているかのような鳴き声であった。
迷った犬がコース内に紛れ込み、ボールでも当たって怪我でもしたのかと内心いやな思いが心に走った。
すると突然、100Mも離れていないような雑木林からガサガサという音とともに、パンパーンと乾いた大きな音がし、犬の姿が見えたかと思った瞬間、続け様にまたもやパンパーンと、明らかに銃声とおもわれる音がした。
思わず身がすくみ、どのように対処していいものか呆然としていると、大きな猪が弾を受けた手負いの状態で林からコース内に犬に追われて姿を現した。
明らかに弾を受け、息も絶え絶えに腰を下ろしたすぐ側で犬が猪に吠え立てている。
こちらを伺っている様子もあり、向かって走ってでも来たら逃げるしかないなと身構えていたら、2〜3分後に犬に急き立てられる様にまたもや雑木林の中に姿を隠した。
私らもようやく呪縛が解けたかのように先に進み始めたその矢先、またもや後方の猪が立ち去った方向でパンパーンと数発銃声が続き、2〜3ホール先に進んでも銃声と犬の声は止むことはなかった。
昨年アメリカの小学校で銃による大量殺人事件が発生。
オバマ大統領も再選後ということもあり銃の規制について改革の意欲を示していた。
日本においても暴力団の抗争に銃は使用されることが多いが、鹿や猪が増えたからと猟友会の人々がボランテアよろしく出動している姿を目にするが、昔の“マタギ”のようにそれを仕事にしている人はいなくなっているのではなかろうか。
猟友会そのものが趣味で猟を行う人たちの友の会ではなかろうか。
捕鯨について、調査の目的でも鯨を守ろうとする人々の妨害を受けるこの時代に、まさしく趣味で動物を殺傷している集団が日本の山の中には出没し、それも人里やゴルフ場に隣接した近距離で平然とことをなしている。
山林や人里の畑が荒らされ増え過ぎれば害獣とみなされ猟銃の出番となる。
銃を作ったアメリカでさえ、重い腰を上げその規制が行われようとしている時代に、日本における銃の使用所持は全くといっていいほどその必要性はないと私は思っている。
銃の使用なくとも“害獣”と人間が勝手に名付けた動物の“数の調整”は現代であれば遺伝子操作で可能と思うし、まさしく趣味で動物を殺す時代感覚がおぞましい。

 
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