どうぶつ村は人と動物が共生するためのルール作りの基盤を作り上げていきたいと考え、福岡市東区を拠点に
地域ボランティア活動やドッグランの整備を進めております。

理事長エッセイ ドッグラン伝道話し 「ワンワン伝道」Part5

“草食系対肉食系今昔模様”

近年人間社会の若年層男子の一部を“草食系”と形容し、同世代の女子を“肉食系”として比較対照される場面に遭遇する時が間々ある。
本来説明するまでもなく、ひと昔前は肉食系男子が当たり前であり、女子は草食系だったはずだがどこかで逆転してしまった。
男が“肉”を食らわず、女が“肉”を食らうようになったということではなく、単に性差による個体的特徴が逆転してしまい、言うならば“おとなしく”繊細なる男子が多くなってきた反面、大胆不敵で男子以上に活動する女性が時代として多くなってきたということではなかろうか。
私の身辺にいる若年層を見ても確かに男子は草食系が多い気がするし、女子は明らかに肉食系と思われる“男を喰った”男子に負けない強い女性が多くなった。
また、人間男子の性的能力の低下が少子化の一因と言われ、夫婦間における不妊原因の多くが精巣内精子数の減少によるところが大きいのはご存知だろうか?
男子の本懐が生殖能力の力量だったのは遠い昔になってしまった。
このような傾向は人間界のみならず、イヌの社会にも現象として現れてきていることを皆さん気付いてあるだろうか?
もともと犬という動物は多産系で中型犬以上は一度に10頭近くは産んでいたが、今や少子化傾向であるにもかかわらず、心無きブリーダーによる頻繁な妊娠出産の影響で遺伝子的な悪性因子の継承による病気も多いと聞く。
実は博多の森ドッグパーク開園以来、この草食系・肉食系の傾向は犬達の遊びに顕著に現れている。
来園するほとんどのワンコたちは生後1年前後に虚勢避妊手術を受けている。
このことがすべての原因だという根拠は無いのだが、そのことを一要因として考えると単に走り回っているわけではなく、犬達の動物行動学上興味ある動きが多く見てとれる。
伝道場での遊びのパターンの多くは、雄は雄、雌は雌で遊ぶ姿が実は多い。
本能的な追っかけ、絡みという遊びの現象は伝道場では逆に珍しい。
また伝道上では♀が姿形の大小に関係なく♂より強い。
だからではないが、男の子たちは強い女の子より男同士で走り回り、互いにマウントして楽しんでいる。
女の子たちもせわしい男の子より女の子グループでの遊びが多い。
それはそれで見ている飼養者にとっては元気で楽しいのが一番なのだ。
今年、札幌では鳴き声などによる問題から動物愛護管理に関する条例が“しつけ条例”として改定され罰則を科すことも検討されていると聞く。
共生も飼養者のモラルマナーの強化に頼らざるを得ない時代になってきたが、この伝道場はまさしくこのモラルマナーを学び伝えることを目的に作られた事をお忘れなく。

 
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