どうぶつ村は人と動物が共生するためのルール作りの基盤を作り上げていきたいと考え、福岡市東区を拠点に
地域ボランティア活動やドッグランの整備を進めております。

理事長エッセイ ドッグラン伝道話し 「ワンワン伝道」Part7

今回のテーマは「吠える」。

「鳴く」という表現もありますが、「吠える」ほうがどちらかというと飼養者を手こずらせていることが多いようです。
“イヤだあ!私だ”と思う方もあるでしょうが、決して恥ずかしいことではありません。
“吠える”にはいくつかの理由が必ずあるのですが、多くはその行為が始まった時期に飼養者が“しつけ”のタイミングを逸したか、甘えさせてしまったケースです。
ワンコは意思の伝達手段が「鳴く」・「吠える」・「唸る」という声を介してや、尻尾及び目や身体の動きでしか表現できません。
食事・散歩の要求、相手とのトラブル・喧嘩・恋愛・etc.あらゆるケース状況下で吠えます。
逆を言えば"鳴くか吠える"が簡単なのです。
使用言語がシンプルですから分かり易いはずなのですが、吠えているワンコと人との関係で受け取り方がまったく違ってきます。
極端な言い方をすれば、わが子(ワンコ)の鳴き声は夏の猛暑の中でも“そよ風に揺れる風鈴の音”に聞こえ、他人のワンコの声は“地獄の釜を金棒でたたく音”の違いがある。
ましてや、“わがワンコ”が他のワンコから吠え立てられると、顔では笑って平静さを装っても、飼養者の胸中は被害意識の中で苛立ちの炎がメラメラと音を立てているはずなのです。

それではここでいくつかの例を挙げてみましょう。
“なぜか、ワンコの会話「大阪言葉」が良く合うんです。”

    「例1」 相手の前で尻尾を振って「ワン、ワン、」とショートで鳴く。
    挨拶代わりの呼びかけや要求ですから、気にする必要はありません。
    「それ欲しいよ」「あそぼうよ」「新入りですねん。よろしゅう」
    「例2」 相手を追尾し吠え立てる。
    「わい、あんた好きやねん、なんでこっち向いてくれへんの」
    「お前さん、どこの何様のつもりや!挨拶まだやろ」
    「わい、家の中でも声だしての追っ駆けっこ、好きやねん」
    「例3」 低いうなり声を出し傍に寄せ付けない。時により咬む。
    「うちのご主人に気安う近寄らんといて、うちのもんやねん。」
    「私、自分以外の臭いダメなの、ほか行ってもらえる」
    「誰のボールと思うてんねん。勝手に持って行きくさってアホか?」

TVゲームなどが無い時代の子ども達の遊び場は公園や校庭、田舎であれば山や川といった自然の中が格好の遊び場で、隣近所の年長の子が目下の子の面倒を見てあげ、遊びを教えてくれていました。
今の時代、人の子もワンコも上記のような環境も機会もなく、グループ遊びが出来ない子が増えています。であれば、親や飼養者が環境を与え育んであげることが大切となってきます。
当地、博多の森ドッグパークはワンコとその飼養者の、良好なる共生関係を構築するための場所を目指して運営しています。
伝道場のワンコはどの子も自分の子と思い育んであげましょう。自分のワンコだけを満足させる場ではないことを来場者総ての方に理解いただきたいと思います。
暑い夏をさわやかに乗り切りましょう。

 
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