どうぶつ村は人と動物が共生するためのルール作りの基盤を作り上げていきたいと考え、福岡市東区を拠点に
地域ボランティア活動やドッグランの整備を進めております。

コラム(番外編)理事長エッセイ Part3

 ドイツ行きをかけたサッカーWカップ予選で日本中が湧きかえった6月中旬、同時期に東京国立競技場において陸上競技の日本選手権が開催された。
先頃、男子100Mで9秒77の世界新記録が出たが、日本の陸上界は現在のところ女子マラソンか男子ハンマーしか世界で通用しない。特に短距離界は日本人の身体能力では世界を戦うには不可能と言われ続けてきた。

そのような中、今年度日本選手権男子400Mで金丸君という大阪の高校生が大学社会人を押さえてチャンピオンとなった。しかも45秒台という好記録での優勝である。
400Mはトラック競技の中でも最もハードと言われるほど高度な筋持久と酸素負債能力を必要とし、陸上競技が最も盛んなアメリカでさえこの400Mにおいての高校生チャンピオンは例がなかろうと思われる。

高校生であれば、決勝に残っただけでも緊張で足が震える日本選手権の大舞台で、スタート前のリラクゼーションパフォーマンスも注目を集めたが、独持の走法においても高野コーチを含め短距離指導者をうならせた。
ゴール後、オリンピック水泳の北島同様『ウォーッ』と雄叫びをあげ喜びを表現していたが、世界陸上標準記録突破の快挙にも『8月のインターハイに向け、仲間と共に全力を尽くします』と高校生らしさを出していた。

近年日本の児童生徒の"体力の低下"が問題視されたり、不登校や【ニート】と言われる用語まで出現する若者世代において、中高生による親兄弟の殺人や暗いニュースは後を絶たない。
しかしながら、この素晴らしい走りを見せてくれた金丸君や、ゴルフ・卓球の両「アイちゃん」を含め各スポーツ界で活躍しているヤングパワーを支えているのは"育てる環境"である。

戦後60年を迎えた現在、過去の大戦での大量虐殺等が今だに各国で問題となっている。
一方わが国では処分という形で人の心を癒してくれる動物が大量に殺されている。
まさしく、"育てる環境"を直視する必要がこの世界にもある。

写真提供:日刊スポーツ(右上)、どうぶつたちのレクイエム(左下)
 
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